視点を変えると見える成果

クリスマスのフィールドは、人の気配が乏しいためか、モズがいつもは来ない場所まで出張っていた。
北風が強い。目的の鳥は何度か現われるも、木にとまることなく通り過ぎていく。まとわりつくカラスに苛ついたのか、爪を光らせカラスに掴みかかっていた。「ガゥ」と声を上げるカラスの姿に、なぜか少し気が晴れる。

結局、撮影という成果はなかった。

けれども、そうではない。目的の鳥も、カラスもいた。こういう時に視点を変えて考えていく。自分が感じたものだけで考える事が重要だとわかってきた。ポイントは差異、ノイズとして切り捨てられるものが重要だった。これは人と関わって気がついたことだった。

朧気ながら答えが浮かんだ頃には、日も沈み、辺りも暗くなっていた。帰路に着く前にいつものように暗くなったフィールドを歩き出す。

林の中でふと見上げた先にカラスが一羽で眠っていた。ハッとして辺りを確認すると、やはりそれはあった。納得ともにおぼろげな答えがその姿を見せ始めていた。やはり、成果は得られていたのだった。

投稿者: gawa_ke

自然と関わるようになって感じたことを誰かに伝えたい男

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